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「いい住宅とは何か」を考える12の切り口

建築家として活躍する著者が、「いい住宅とは何か」について考え、まとめた一冊。本書を構成する12章のタイトルには、それぞれ「居心地」「遊び心」「手ざわり」といった魅力的なタイトルが付けられており、それらがそのまま「いい住宅」を語る切り口になっている。

例えば、「ワンルーム」という章では、まず、「建築家はワンルームの建築によって記憶される」という言葉が紹介される。そして、フィリップ・ジョンソン設計「ガラスの家」や立原道造設計「ヒアシンスハウス」などの作品を例に出しながら、ワンルームの住宅に名作が多い理由を、「人の住まいの『原型』が顕れ」「建築家の裸形の『住宅観』があますところなく表現される」からだと結論づける。

実際の建築物を撮影した写真が多く掲載されているので、理解しやすい。また、著者自身によるイラストが、温かみのある文体とあいまって、ほのぼのとした親しみやすい雰囲気を醸しだしている。

「戸建住宅、それもおもに小住宅の設計の仕事ばかりをしてきた」と著者も述べているように、本書に登場するのは、注文住宅が中心だ。しかし、著者が語る「いい住宅」論は、アパート、マンション、一戸建を問わず、すべての住まいに通じるように感じた。

住宅を建てたり、買ったり、借りたりする場面では、とかく立地や構造、設備、間取りなどに注目しがちだが、本書で述べられているような、スペック外の価値についても忘れないようにしたい、と思った。まずは、住まいに申し訳ないので、この散らかった部屋を片づけるつもりだ。
この本を読んでも家は建てられないと思う

雑誌の書評でも、皆さんの書評でも大変評判が良いので読んでみましたが、期待していた内容とはちょっと違いました。この本を読んでも自分が住みたい家は建てられないとおもいます。確かにハウツー本ではないことは承知しているのですが、でも「住宅読本」というタイトルの、この本を手にする人の多くは、いい家を建てたいと願っている人たちだと思うのですが、そのヒントとなるようなものがあまり感じられませんでした。ヘンな例えで言えば、今度の休暇でフランスの田舎を旅行したいと考えている人が「南仏プロヴァンスの12か月」を勧められたような感じ、がするのですが。もうすでに良い家にお住まいの方とか、すぐに家を建てる予定のない方には格好の読み物であることは間違いないと思うのですが。具体的なヒントになる本としては、天野彰さんの「家づくり 迷ったときの建築家の知恵袋」がお勧めです、私としては。
自分にとっての良い住宅そして生き方を考える契機になる本です

住宅名人として有名な建築家中村好文さんが「芸術新潮」に連載されていた「住宅ってなんだろう」に修正・加筆を加えた本です。タイトル通り、良い住宅について、「居心地」「遊び心」「手ざわり」等々、興味深い12の側面から、著者の考えをまとめられた本ですが、他の著作同様、美しい写真と、著者自身によるイラストが添えられています。ただ、人気本である「住宅巡礼」がイラストにびっしり添えられた著者直筆の文章や多数の写真で情報量が満載だったのに対し、こちらは非常にゆったりとしたレイアウトになっています。しかし、そこにある文章は、まさに「良い住宅って、なんだろう」を考えるヒントが満載された珠玉の言葉になっています。
結局、「住宅を考えること」は「どういう生き方をしたいかを考えること」にまで結びつくことなんだなあということを気づかされた本です。これからも何度も読み返したい素敵な本です。
人柄がしのばれる本

先般、中村好文さんの設計された住まいを見て、ふれて、ほんわかなごめる家だなあ、と思った。
その中村さんの最新刊、読めばほら、それは、できあがった住まい同様、ほんわかと暖かな気持ちになる。
昨今話題のデザイナーズもよいけれど、
ジャパニーズモダンともいえる日本人の心、というか自然を愛おしむ心が喜ぶ建築はやはりいい。

いわさきちひろ館にあるという遊び心いっぱいの椅子も素敵。
子どもの夢をはぐくむ家という章には、納得。
建築や中村好文を知らない人でも、読めばほのぼのできる一冊だと思う。
そして、住まいについてちょっとあらためて考えてみようかな、なんて思う本だと思う。
自分を振り返る本

どんな住宅に住みたいかを考えることは、つまり自分がどういう人間なのか、何を大事に思うのかを考えることに他ならないんだなぁというのをしみじみと思いました。当たり前のことなのかもしれないけれど、大切なことに気づかされたような気がしました。安くはありませんが、買って読んでよかったです。



新潮社
普段着の住宅術
住宅巡礼
意中の建築 下巻
意中の建築 上巻
普請の顛末―デザイン史家と建築家の家づくり







         
         
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